ドラえもんは、まぁ、言わなくたって誰もが知ってる漫画・アニメですよね。これ、主要なキャラクターの名前が不思議だと思いませんか?
源静香、剛田武っていうのは、一般的にはいないかもしれないけれど日本的…ドラえもんは、まぁ、言わなくたって誰もが知ってる漫画・アニメですよね。これ、主要なキャラクターの名前が不思議だと思いませんか?
源静香、剛田武っていうのは、一般的にはいないかもしれないけれど日本的にありそうな名前ですよ。そこにきて骨川スネ夫っていうダジャレのような名前をつけてる。僕はスネ夫のネーミングだけが持つ特別性があると思ってるんです。もしふざけた名前をつけるならジャイアンだって筋肉デカオというようなネーミングでよかったはずなんです。
そうしなかった理由はですね、スネ夫だけが実在の人物イメージをトレースしてるんじゃないかと思うんです。それは、キャラクターを作ろうと思ったときに、過去に出会った人物の集合知、というか、特定の人物イメージを参考にすることはあるでしょう。ただね、スネ夫の場合だけは、その参考イメージが濃かったと思うんですよ。
スネ夫の特徴を見てみましょうか。
親がお金持ちでえばっているが本人は優秀ではない。勉強もできないし喧嘩も強くないが、強いものに媚を売って自分のポジションを確保している。
要するにね、藤子・F・不二雄先生の人生の中で、スネ夫みたいな嫌なヤツがいたんじゃないかと。その憎しみが一つ乗っかって骨川スネ夫なんて名前になったんじゃないかと僕は思います。
それと、ドラえもんの面白さというのは第1回のアニメ化で人気が出なかったところなんです。アニメスタートからわずか半年で終了していますから。大ヒットしたのはそのあとなんです。
その人気のもあいまって創刊されたのがコロコロですよね。いま30代40代の人はコロコロコミックって言うとミニ四駆とかビーダマン、ポケモン、ベイブレードの雑誌っていうイメージを持ってるかもしれないですけど、1977年の創刊時はドラえもんの漫画がページの大部分を占めてましたから。コロコロっていうのはドラえもんの雑誌みたいなもんなんです。
ドラえもんはコロコロコミックではヒーロー扱いということになります。日本人にとっては、ドラえもんにヒーローのイメージはないかもしれませんが、アメリカのニュース雑誌『Time』ではアジアのヒーローとして紹介されたことがあるんですね。
日本の当たり障りのない、典型的な通りに住んでいるヒーローだと。ヒーローとしてはあまりに庶民的なんですけれども、どんな状況にも立ち向かう覚悟を持ったヒーローだと、紹介されていましたね。展開▼
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サザエさんというのはですね、1969年。つまり昭和44年にアニメがスタートしてるんです。
44年はアポロ11号が人類初の月面着陸に成功した年なんですね。世界的に見ると、人々の価値観が地球規模から離…サザエさんというのはですね、1969年。つまり昭和44年にアニメがスタートしてるんです。
44年はアポロ11号が人類初の月面着陸に成功した年なんですね。世界的に見ると、人々の価値観が地球規模から離れていって宇宙に広がったタイミングであると。だけど日本ではサザエさんというような一般家庭の細々としたものを国民的アニメとしてしまった。
その当時を見たらわかるんですけど見てみましょうか?
ハクション大魔王、アタックNo.1、タイガーマスク、紅三四郎、もーれつア太郎。外への広がりがないのをおわかり頂けると思うんです。紅三四郎は柔術のアニメですし、もーれつア太郎は東京の下町を舞台にしていますよね。
これっていうのは1990年代末のガラケー、いわゆるガラパゴス化ケータイに繋がってくるわけです。日本という閉じた世界の中でローカルでやっていくという。閉じられた家庭を覗き見るような、サザエさんという作品を国民的としたところに、そういう日本的な心理が強く働いていますよね。僕はですね、サザエさんが国民的になることは、1630年代に日本が鎖国をして、ポルトガル船の来航を禁止した時点で決まってたように思うんです。
そして現代の国民の意見を見たらわかりますよね。グローバル化したくないって方向性があると思うんです。それが良いとか悪いとかって話ではないんですけれども、僕はこれ、サザエさん的だなと思いますよ。展開▼
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