ゴクドーくん漫遊記は1999年に放送されたアニメ。原作の小説版は『極道くん漫遊記』という漢字表記のタイトルだ。僕は原作小説とアニメ版の両方が好きで、原作小説は全13巻と外伝の10巻、アニメ版はDVDを…ゴクドーくん漫遊記は1999年に放送されたアニメ。原作の小説版は『極道くん漫遊記』という漢字表記のタイトルだ。僕は原作小説とアニメ版の両方が好きで、原作小説は全13巻と外伝の10巻、アニメ版はDVDを持っている。
ゴクドーくんが教えてくれるのは自由と現実だ。
村娘がさらわれたとき、普通の主人公は助けようとするだろう。ゴクドーくんは「前金でお金を払わないと助けない」と村娘の父親に言った。そして、前金(金貨50枚)を貰うと娘を助けず旅立ってしまう。
ゴクドーくんの根底にあるのは自分本位だ。貧乏人がお腹を空かせていてもお金持ちはご飯をくれない現実。だから何としても自分で得るしかない。そういった人生哲学から自由が生まれている。
僕は縛られることが多かった。
小学校の頃、友達と遊ぶ約束をして家に帰ると遊ぶのを禁止された。何か必要な用事があるわけではない。父親が休みのときは同じ場所に居なければならない、というのが理由だった。
中学になると縛りは厳しくなった。
僕の地域では複数の小学校から1つの中学校に生徒が集まる。すぐに新しい友だちができた。Kくんだ。話していて気があうと感じていたし、Kくんからも積極的に遊びに誘ってくれた。彼はは少し大人びていて、エアガンの改造にも詳しい。公園に集まってはエアガンの話をしたり、空き缶を狙って撃つ遊びをしていた。
あるとき、Kくんと遊んでいることが母親にバレた。
母親はKくんと遊ぶことを禁止した。
「Kくんの家は団地だからダメだ」
「団地に住んでるのは低俗だから遊んではいけない」
「貧乏人と遊ぶな」
僕は彼と遊べなくなった。仲の良かった友達グループにKくんが入っているので、そのグループでも遊べなくなり、ハブられてしまった。
ゴクドーくんの振る舞いは、そういった苦しい体験の1つ1つをぶち壊す。彼には生まれも血筋も関係ない。自分本位で生きることのできる、自由の象徴なのだ。展開▼
シルベノパン さんの推しをもっと見る