僕にとっての東京喰種は、そうですね、半分だけ狂気を飼っているという意味では共感できるものなんです。
主人公は金木研という男。カネキは普通の人間でしたが喰種だったリゼの臓器が移植されて半喰種となっ…僕にとっての東京喰種は、そうですね、半分だけ狂気を飼っているという意味では共感できるものなんです。
主人公は金木研という男。カネキは普通の人間でしたが喰種だったリゼの臓器が移植されて半喰種となってしまいます。人間と喰種のハーフになった彼は苦悩の日々を過ごします。
喰種の証である赫眼は左目だけに現れコントロール不能、喰種と同じように人間を肉を食べなければいけない、というように、喰種の仲間にも人間の仲間にもなれない葛藤。
僕と一緒です。
昼間の僕は、ごく普通の人間であり、会社員として振る舞っています。上司からも可愛がられていますし、決められた役割は全うしているつもりです。会話は人間らしくあるための作り話で本心は一つも話していません。
夜になると僕は街に吸い込まれてしまいます。お金を払って相手を傷つける権利を買うんです。肉体的な飢えじゃありません。魂の飢餓感を埋めるために攻撃的でサディスティックな部分をさらけ出す。
彼女たちは事前に決められた台本の通り演じてくれます。叫び声も涙も懇願も計算された舞台装置。僕が支払った金額分の時間が終われば繋がりは消え、虚無感だけが残ります。
僕はこの渇望に喰種の食事を重ねて見ています。昼間と夜の二面性を持ち、限られた場所でのみ本性を解放する。
きっと誰しも人間はこうなのではないでしょうか。展開▼
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