私がSPY×FAMILYを初めて見たのは、期末テストの1週間前ぐらいでした。勉強に疲れてスマホ見てたら、アーニャ好きな娘のためにお父さんがSPY×FAMILYの誕生日をしてあげた話が出てました。
…私がSPY×FAMILYを初めて見たのは、期末テストの1週間前ぐらいでした。勉強に疲れてスマホ見てたら、アーニャ好きな娘のためにお父さんがSPY×FAMILYの誕生日をしてあげた話が出てました。
気になって1話を見ました。最初はスパイの話だと思ってたけど、家族のふりをしながら本当の家族みたいになっていくところがすごくあたたかくて、気づいたら泣いてました。
私、12月30日生まれなんです。みんな冬休みで、うちは毎年30日に大掃除をするので自分の誕生日会をしたことがありません。友達の誕生日会には行くけど、自分だけ呼べない感じ。夜ご飯もおそばです。SPY×FAMILYを見てそんなことを思い出しました。
前に言ったけど私は将来小説家になりたいです。また小説を書いたのでよかったら読んでください。
『やさしさのかがみ』
「もう恋なんてしない!」と息巻いて飛び込んだ占いの館。そこで私が手にしたのは、恋愛運アップのお守りでもなければ、運命の人のイニシャルが書かれた紙でもなかった。手渡されたのは、手のひらサイズの小さな手鏡。その帰り道、いつものショルダーバッグが、ずしりと重みを増しているように感じられた。
「これは『やさしさのかがみ』。あなたがした善い行いを、この鏡に向かって報告してごらんなさい。そうすれば、その善行は巡り巡って、あなた自身に返ってくるから」
怪しげなベールを被った占い師はそう言った。やさしさのかがみ、ねぇ。名前からして胡散臭い。どうせ、大量に仕入れたガラクタを、もっともらしい口上で客に配っているだけだろう。私はすっかり冷めた気持ちで、雑踏の中を歩いていた。
その時、視界の隅に小さな赤色が映った。アスファルトの上に、子供用のキャラクターが描かれた財布が落ちている。一瞬、見て見ぬふりをして通り過ぎようかと思ったけれど、なぜか先ほどの占い師の言葉が脳裏をよぎる。……しかたない。私は溜息とともにそれを拾い上げ、角にある交番の古びたドアを叩いた。
帰宅してシャワーを浴び、濡れた髪をドライヤーの熱風で乾かす。あとはベッドに身を投げて、退屈な一日の幕を閉じるだけ。その、ほんの出来心だった。バッグから件の鏡を取り出して、ベッドサイドのランプに照らしてみる。
「えーっと……今日はお財布を届けました」
声に出すと、急に自分が馬鹿らしくなった。鏡は当然、沈黙したままだ。アニメだったら七色に光り輝いたりするんだろうけど、現実はそんなに甘くない。私は自嘲気味に笑い、鏡をサイドテーブルに放り出してベッドに潜り込んだ。
翌朝のことだ。出社前の準備に追われる中、ふとテーブルの下にきらりと光るものを見つけた。
「あった!」
悲鳴に近い声が出た。ここ数ヶ月、どこを探しても見つからなかったピアスの片方だった。何度も、本当に何度も確認したはずの場所から、まるで最初からそこにあったかのように姿を現したのだ。
「まさか、ね」
一瞬だけ鏡の効果かと思ったが、偶然に違いない。そんな非現実的なことがあるわけない。私は気を取り直してマンションを出た。
商店街を足早に歩いていると、前から鬼気迫る形相の男が走ってくる。ただ事ではない気配に体がこわばった。
「捕まえて!」
背後から響いた切羽詰まった女性の声に、私の体は意思とは関係なく動いていた。咄嗟に、すれ違いざま男の足元に自分のバッグを突き出す。バランスを崩した男は派手に転倒し、すぐに追いかけてきた数人の手によって取り押さえられた。
ひったくり犯だったらしい。息を切らせた、身なりの良い50代くらいの女性が、私の手を握って何度も頭を下げた。
「本当にありがとうございます。中には大金が入っていたものですから……本当に助かりました」
聞けば、定期預金を解約したばかりの現金50万円が入っていたという。
何にせよ、これ以上道草を食っていると仕事に遅刻してしまう。私は丁重なお礼を振り切るように、足早に職場へと向かった。
オフィスには、いつものイライラが渦巻いていた。
「やだぁ〜、部長ったらお上手なんですからぁ〜♪」
後輩の甘ったるい声がフロアに響く。年は25。私よりたった3つ若いだけなのに、そのぶりっ子な態度で上司に取り入っては、面倒な仕事を全てこちらに押し付けてくる。煮え繰り返るような苛立ちを、私は苦いブラックコーヒーと一緒に無理やり喉の奥へと流し込んだ。
その日の夜、疲労困憊で帰宅した私の脳裏に、ある考えが稲妻のように閃いた。
「そうだ。私、ひったくりから50万円を取り返したんだ」
まるで何かに憑かれたように、サイドテーブルの鏡をひっつかむ。
「今日の昼間、50万円の入ったバッグをひったくりから取り返しました!」
早口で報告を済ませると、震える指でスマートフォンを操作し、ネットで番号選択式の宝くじを1万円分購入した。心臓が早鐘のように鳴っている。
数時間後、スマートフォンの画面に表示された当選結果に、私は言葉を失った。
「50万円、当たってるッ!」
全身の血が沸騰するような感覚。これはマジだ。偶然なんかじゃない。あの鏡は、本物なんだ。
途端に、強烈な欲望が鎌首をもたげた。もっと善行をしなきゃ。もっと、もっと大きな善行をして、もっと大きな見返りを得なければ。
でも、善行って、一体何をすればいいんだろう。
財布を拾う? ひったくりを捕まえる? そんなドラマみたいな偶然が、そう何度も転がっているわけがない。道端のゴミを拾う? 電車で席を譲る? そんな小さな善行で、一体いくらの見返りが期待できるというの? 50万円という大金の味を知ってしまった今、私の心はもう些細な見返りでは満たされそうになかった。
いざ「善行をしよう」と意気込んでみても、何をすればいいのかサッパリ思いつかない。部屋の中をぐるぐると歩き回りながら、私は焦っていた。効率よく、確実に、そして大きな見返りのある善行。そんなものを血眼で探し始めていた。鏡に映った自分の顔が、ひどく浅ましく、飢えた獣のように見えた。
前編はここまでになります。後編はまた投稿します。展開▼
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第1話の会議シーンに注目してください。
なんとテーブルが大きいんです。
テーブルの中央に手が届くでしょうか?
そういうテーブルってありますよね。手を伸ばしてギリギリ中央に届くタイプのテーブルで…第1話の会議シーンに注目してください。
なんとテーブルが大きいんです。
テーブルの中央に手が届くでしょうか?
そういうテーブルってありますよね。手を伸ばしてギリギリ中央に届くタイプのテーブルです。
僕は卓球台でそういった経験があります。ネットのほうにボールが転がったので手を伸ばすがギリギリ届かない。しかたなく横に回り込んでボールを取るんです。
ゲームセンターにあるホッケーのゲームも同じです。ホッケーは、版画に使うバレンのような道具で打ち込むわけですが、どうやっても届かない。そこで横に移動して打ち込むのですが、その隙を狙われて得点されてしまう。スパイのように。
まさに大きなテーブルがスパイを示唆していると言えます。
テーブルをよく見ると人数分の飲み物が置いてあります。グラスに注がれている液体は黄色く見えますが、ランプの明かりのせいでしょう。僕はお水だと読み解きました。
素人の考察主はサントリーの天然水かコカコーラのいろはすだと考えるでしょう。それは大きな誤りです。海外ですから軟水ではなく硬水。種類はエビアンに決まりだと思いますね。
クリスタルガイザー?
それは軟水ですよ。名前とパッケージで硬水を気取っているだけ。展開▼
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