私が中学1年のとき友達がSNSで「ちいかわやばい」って言ってて、気になって動画を見たのがきっかけでした。中3になったいまもグッズ買ってます。
最初は「かわいいだけ」くらいに思ってたけど、見ていく…私が中学1年のとき友達がSNSで「ちいかわやばい」って言ってて、気になって動画を見たのがきっかけでした。中3になったいまもグッズ買ってます。
最初は「かわいいだけ」くらいに思ってたけど、見ていくうちに、ちいかわたちの世界にはただのかわいさじゃなくて、“生きることの大変さ”とか“前に進む強さ”があることに気づいて、どんどん好きになりました。
ちいかわはいつも一生懸命で、すぐ泣いたり、でもちゃんとがんばったりするところが、なんだか自分と重なるんです。テスト前に焦って勉強してるときとか、失敗して落ち込んだときに、ちいかわの顔を思い出すと「大丈夫かも」って思える。
「ちいかわ」で友達もできました。
夏休み明けの席替えで隣になった子が、机の中にちいかわのシールを貼ってて、「あ、それ、ちいかわのやつだよね?」って話しかけたのが最初。そこから「何のキャラが好き?」って話になって、私は「うさぎも好きだけど、モモンガはちょっと苦手かも」って言ったら、その子が「わかる!モモンガってちょっとワガママな感じするよね!」って仲良くなりました。
クラスに、モモンガみたいにちょっとワガママなコがいて、みんなを振り回すタイプなんです。その子のことを話すときに「モモンガっぽいよね〜」って。
私は昔から本を読むのが好きで、将来は小説家になりたいと思っています。
特に知念実希人先生の「放課後ミステリクラブ」シリーズが大好きです。誕生日に買ってもらった「金魚の泳ぐプール事件」と「雪のミステリーサークル事件」は、もう何度読んだか数え切れません。ページの端っこが少し丸くなるくらい読み込んでて、読むたびに新しい発見があります。謎が少しずつ解けていく感じが好きです。
私は、将来ちいかわみたいに、最初はかわいいだけって思うけどあとから深さに気づいてびっくりするような物語を書ける小説家になりたい。最近書いた小説を貼るのでよかったら読んでください。
『となりの赤ちゃん』
ヒロコは三十九歳の誕生日を迎えた。
ケーキを買う気にもなれず、夫が差し出したワインも一口で胸が詰まった。
めでたい日?とても、そんな気にはなれなかった。
妊活を始めて三年。
子どもができたら引っ越そうと決めてから、季節ばかりが過ぎた。
築三十年のアパートは壁が薄く、風が吹くと窓枠がかすかに鳴く。
だがヒロコは気にしなかった。赤ちゃんさえ来てくれれば、こんな部屋とも別れられる。
そう思うことで、ようやく呼吸を保っていた。
秋の午後、隣に若い女が引っ越してきた。
買い物の帰りだろう。袋の中にはおむつの束が見える。
ヒロコは笑顔を作って声をかけた。
「お隣さんですか?」
「はい、赤ちゃんがいるので、うるさくしちゃうかもですけど」
その言葉の「赤ちゃん」という二文字が、胸の奥で小さく爆ぜた。
笑顔のまま喉の奥が熱くなる。
部屋に戻ると、静寂のなかで何かが蠢く音がした。
自分の中に、知らない何かが生まれているようだった。
夜になって、泣き声が始まった。
壁越しに途切れ途切れの叫びが響く。
最初は我慢した。赤ん坊なのだから仕方ない。
だが夜明け前になっても声は止まず、ヒロコの瞼の裏で波のように反響した。
夫を起こすと、「そんな声、聞こえないよ」とだけ言って布団をかぶった。
ヒロコは耳をふさいだ。けれど、内側で鳴っているのは壁の向こうの声なのか、自分の心なのか、もうわからなかった。
一週間が過ぎるころには、日中の買い物の途中でも、耳の奥であの声がこだまするようになった。
赤ん坊の泣き声が止むと、逆に怖かった。
「どうして泣かないの?」と呟き、笑ってしまった。
笑い声が自分のものに思えなかった。
十一月の朝、ヒロコは台所の包丁を手に取った。
刃先の重みが指を痺れさせる。
何も考えていないのに、身体だけが動いていた。
廊下を抜け、隣のチャイムを押す。
しばらくして、寝ぼけた顔の女がドアを開けた。
その瞬間、ヒロコは扉を押し込み、包丁を突き出していた。
金属が肉を裂く感触が腕を伝う。
女の口が何かを言おうと動いたが、声にならなかった。
血の匂いが玄関を満たす。
ヒロコは靴のまま部屋に踏み込んだ。
泣き声がする。
「赤ちゃんも、赤ちゃんも殺さないとッ」
ベビーベッドが見える。
憎いっ、憎いっ、赤ん坊だ、さて、どんな顔をしている、見てやるッ。
ヒロコは息を荒げ、震える手で布をめくった。
そこにあったのは、赤ん坊の形をした人形だった。
プラスチックの頬、縫い目のある首。ほほえんでいる。
冷たいガラスの瞳が、ヒロコを見返していた。
力が抜け、床に崩れ落ちた。
包丁がカランと鳴り、血の匂いとともに静寂が戻る。
――何だったのだろう。
自分が何を壊したのか、考えるより先に、耳がそれを捉えた。
泣き声。
自分の部屋のほうからだ。
はっきりとした、あの赤ん坊の声が、ヒロコの耳元で再び、産声のように響いた。展開▼
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私がSPY×FAMILYを初めて見たのは、期末テストの1週間前ぐらいでした。勉強に疲れてスマホ見てたら、アーニャ好きな娘のためにお父さんがSPY×FAMILYの誕生日をしてあげた話が出てました。
…私がSPY×FAMILYを初めて見たのは、期末テストの1週間前ぐらいでした。勉強に疲れてスマホ見てたら、アーニャ好きな娘のためにお父さんがSPY×FAMILYの誕生日をしてあげた話が出てました。
気になって1話を見ました。最初はスパイの話だと思ってたけど、家族のふりをしながら本当の家族みたいになっていくところがすごくあたたかくて、気づいたら泣いてました。
私、12月30日生まれなんです。みんな冬休みで、うちは毎年30日に大掃除をするので自分の誕生日会をしたことがありません。友達の誕生日会には行くけど、自分だけ呼べない感じ。夜ご飯もおそばです。SPY×FAMILYを見てそんなことを思い出しました。
前に言ったけど私は将来小説家になりたいです。また小説を書いたのでよかったら読んでください。
『やさしさのかがみ』
「もう恋なんてしない!」と息巻いて飛び込んだ占いの館。そこで私が手にしたのは、恋愛運アップのお守りでもなければ、運命の人のイニシャルが書かれた紙でもなかった。手渡されたのは、手のひらサイズの小さな手鏡。その帰り道、いつものショルダーバッグが、ずしりと重みを増しているように感じられた。
「これは『やさしさのかがみ』。あなたがした善い行いを、この鏡に向かって報告してごらんなさい。そうすれば、その善行は巡り巡って、あなた自身に返ってくるから」
怪しげなベールを被った占い師はそう言った。やさしさのかがみ、ねぇ。名前からして胡散臭い。どうせ、大量に仕入れたガラクタを、もっともらしい口上で客に配っているだけだろう。私はすっかり冷めた気持ちで、雑踏の中を歩いていた。
その時、視界の隅に小さな赤色が映った。アスファルトの上に、子供用のキャラクターが描かれた財布が落ちている。一瞬、見て見ぬふりをして通り過ぎようかと思ったけれど、なぜか先ほどの占い師の言葉が脳裏をよぎる。……しかたない。私は溜息とともにそれを拾い上げ、角にある交番の古びたドアを叩いた。
帰宅してシャワーを浴び、濡れた髪をドライヤーの熱風で乾かす。あとはベッドに身を投げて、退屈な一日の幕を閉じるだけ。その、ほんの出来心だった。バッグから件の鏡を取り出して、ベッドサイドのランプに照らしてみる。
「えーっと……今日はお財布を届けました」
声に出すと、急に自分が馬鹿らしくなった。鏡は当然、沈黙したままだ。アニメだったら七色に光り輝いたりするんだろうけど、現実はそんなに甘くない。私は自嘲気味に笑い、鏡をサイドテーブルに放り出してベッドに潜り込んだ。
翌朝のことだ。出社前の準備に追われる中、ふとテーブルの下にきらりと光るものを見つけた。
「あった!」
悲鳴に近い声が出た。ここ数ヶ月、どこを探しても見つからなかったピアスの片方だった。何度も、本当に何度も確認したはずの場所から、まるで最初からそこにあったかのように姿を現したのだ。
「まさか、ね」
一瞬だけ鏡の効果かと思ったが、偶然に違いない。そんな非現実的なことがあるわけない。私は気を取り直してマンションを出た。
商店街を足早に歩いていると、前から鬼気迫る形相の男が走ってくる。ただ事ではない気配に体がこわばった。
「捕まえて!」
背後から響いた切羽詰まった女性の声に、私の体は意思とは関係なく動いていた。咄嗟に、すれ違いざま男の足元に自分のバッグを突き出す。バランスを崩した男は派手に転倒し、すぐに追いかけてきた数人の手によって取り押さえられた。
ひったくり犯だったらしい。息を切らせた、身なりの良い50代くらいの女性が、私の手を握って何度も頭を下げた。
「本当にありがとうございます。中には大金が入っていたものですから……本当に助かりました」
聞けば、定期預金を解約したばかりの現金50万円が入っていたという。
何にせよ、これ以上道草を食っていると仕事に遅刻してしまう。私は丁重なお礼を振り切るように、足早に職場へと向かった。
オフィスには、いつものイライラが渦巻いていた。
「やだぁ〜、部長ったらお上手なんですからぁ〜♪」
後輩の甘ったるい声がフロアに響く。年は25。私よりたった3つ若いだけなのに、そのぶりっ子な態度で上司に取り入っては、面倒な仕事を全てこちらに押し付けてくる。煮え繰り返るような苛立ちを、私は苦いブラックコーヒーと一緒に無理やり喉の奥へと流し込んだ。
その日の夜、疲労困憊で帰宅した私の脳裏に、ある考えが稲妻のように閃いた。
「そうだ。私、ひったくりから50万円を取り返したんだ」
まるで何かに憑かれたように、サイドテーブルの鏡をひっつかむ。
「今日の昼間、50万円の入ったバッグをひったくりから取り返しました!」
早口で報告を済ませると、震える指でスマートフォンを操作し、ネットで番号選択式の宝くじを1万円分購入した。心臓が早鐘のように鳴っている。
数時間後、スマートフォンの画面に表示された当選結果に、私は言葉を失った。
「50万円、当たってるッ!」
全身の血が沸騰するような感覚。これはマジだ。偶然なんかじゃない。あの鏡は、本物なんだ。
途端に、強烈な欲望が鎌首をもたげた。もっと善行をしなきゃ。もっと、もっと大きな善行をして、もっと大きな見返りを得なければ。
でも、善行って、一体何をすればいいんだろう。
財布を拾う? ひったくりを捕まえる? そんなドラマみたいな偶然が、そう何度も転がっているわけがない。道端のゴミを拾う? 電車で席を譲る? そんな小さな善行で、一体いくらの見返りが期待できるというの? 50万円という大金の味を知ってしまった今、私の心はもう些細な見返りでは満たされそうになかった。
いざ「善行をしよう」と意気込んでみても、何をすればいいのかサッパリ思いつかない。部屋の中をぐるぐると歩き回りながら、私は焦っていた。効率よく、確実に、そして大きな見返りのある善行。そんなものを血眼で探し始めていた。鏡に映った自分の顔が、ひどく浅ましく、飢えた獣のように見えた。
前編はここまでになります。後編はまた投稿します。展開▼
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